九谷焼の「技」は、いかに生まれ、今後どのように変化していくのでしょうか?KUTANism総合監修・秋元雄史が自らその現場に足を運び、ナビゲーターと対話をするなかで、九谷焼を再発見していくシリーズ(2020年、2021年取材のアーカイブ)。
- 2021
- 2020
-
#01 九谷の技術を引き継ぐ教育の場
“技法”と“伝承”をキーワードに、九谷の魅力を、系譜を紐解きながら探る本連載。第一話は開設以来、多くの作家や職人を輩出している「石川県立九谷焼技術研修所」を訪問。「古九谷写し」と「型打ち成形技法」の授業にお邪魔しました。
-
#02 九谷焼の系譜 吉田屋窯、そして古九谷へと遡る
今回は、かつて古九谷を生産していた「九谷磁器窯跡」、そして旧九谷村から移された吉田屋の窯跡がある「加賀市九谷磁器窯跡展示館」へ。歴史を感じる二つのスポットを通じて、古九谷から現代九谷の礎と、発展の経緯を探ります。
-
#03 絵付けを生かすかたち 受け継がれる九谷のろくろと型打ち
九谷焼の華やかな絵付けが活きるのは、それを支える素地の美しい造形があってこそ。「ろくろ形成」のスペシャリストとして三代続く「アズマ製陶所」と、全国的にも数少ない「型打ち形成」の担い手・宮腰徳二さんを訪ねました。
-
#04 代々伝わる“色”を守りながら、作家としての個性を表現する
第4話から第6話は「技法の継承と個性」をテーマに、九谷焼を代表する技法と技の引き継がれ方に迫ります。九谷焼を代表する人物として名高い二代・浅蔵五十吉の後を継いだ、三代・浅蔵五十吉さんが窯主を務める「深香陶窯」に伺いました。
-
#05 “絵描き”として独自の表現を追求し続ける
第4話から続く作家工房探訪。今回は北村隆さん・和義さん親子を訪ねて「竹隆窯」へ。九谷焼の特徴ともいえる文様の過剰さを表現する隆さんと、新たな取り組みに挑戦する和義さん。熱い思いを持った二人が考える、九谷焼の魅力や可能性とは。
-
#06 「毛筆細字技法」で日本の詩歌の世界を展開する
作家工房探訪の最終回。「毛筆細字技法」を用いて独自の美を表現する三代・田村敬星さんを訪問。焼き物の世界ではほとんど見かけない大変珍しい技術・毛筆細字技法がいかに生まれ、どのように受け継がれてきたのかをお聞きしました。
-
#07 「輸出九谷」を通して振り返る、九谷焼の歴史
横浜で九谷焼の輸出業に関わった経歴を持ち、現在は語り部として活動する庄川良平さんを訪ねます。貴重な資料を拝見しながら、戦前から高度経済成長期の戦後を経て、時代と共に九谷焼がどのように変化してきたのか歴史を紐解きます。
-
#08 印刷技術と職人技を掛け合わせ、新境地を切り開く
第8話と第9話は「産業と九谷」をテーマに、産業の面から九谷焼を支える企業を訪れます。転写技術で業界をけん引する「青郊」。地道な経営努力により他にはないクオリティや付加価値をもった製品を生み出す、制作の現場を見学しました。
-
#09 流通を担い作り手を支え、産地を守り続けてきた問屋
大正時代に創業し長年九谷焼を支えてきた老舗問屋「伊野正峰」とインターネットを駆使して現代の卸業を営む「北野陶寿堂」、産地を代表する2社への取材を通じて、九谷焼業界の変遷や流通の変化をたどります。
-
#AFTER TALK 2021年度ライブラリ、全9回の取材を終えて。
2021年度は “技法”と“伝承”をキーワードにお届けしました。九谷焼の技法を伝える教育の場や、親子で受け継がれる様子、産業の面から九谷焼を支える現場などへの取材を秋元さんと共に振り返り、「アフタートーク」としてお届けします。
-
【第一話】九谷焼を再興した“陶石(=ルーツ)”を訪ねて
さまざまな場所を巡り、九谷焼を再発見していく本連載。第一話は、九谷焼の主原料である陶石の採掘現場「花坂陶石山(はなさかとうせきざん)」を訪ねます。
-
【第二話】九谷焼の土台を守る、磁器土づくり
第二話は、石から土をつくりだす現場、「谷口製土所」へ。轟音が響く工場内で、土作りへの思いやオリジナルブランドについてなど幅広くお話をうかがいました。
-
【第三話】上絵付けを下支えする、素地の力
陶石~粘土ができあがるまでの工程を訪ねた前回まで。続くこの第三話では、粘土から“形”を生み出す「素地(そじ)」づくりの現場、「宮創製陶所」を訪ねます。
-
【第四話】“絵としての完成”を追求する、九谷の魂
いよいよ仕上げの工程です。第三話で登場した獅子の絵付けを行う「陶房 光崖窯」へ。最終工程“金彩”を拝見しながら絵付けについてお話をうかがいます。
-
【第五話】―前編― 受け継がれた古九谷のDNAが花開くまで 〜古九谷から吉田屋まで〜
「九谷焼ができるまで」を訪ね歩いた第一話から第四話。今回は「能美市九谷焼美術館|五彩館|」の館長とともに、”九谷焼の歴史”を旅します。
-
【第六話】―後編― 窯を超え出て生まれた名工たち 〜明治から昭和まで〜
第五話から続く”九谷焼の歴史”後半として、明治以降の輸出工芸をクローズアップ。「古九谷」誕生から連綿と続く、 “九谷マインド”とはいかに?
-
【第七話】古九谷という頂点を見つめ、独り登る
第七・八話では、今日の九谷焼を代表して活躍する二名の作家にフォーカスします。まず訪ねたのは、「泰山窯(たいざんがま)」四代目の武腰潤さん。
-
【第八話】“産地”として、底上げしていく。
第七話から続く作家工房探訪。今回は、赤い線のみで描く”赤絵細描”の第一人者・福島武山さんに、作品のこと、産地のことを伺いました。
-
【第九話】“生きた”美術品として、暮らしの中で使い継ぐ。
様々な場所を訪ね歩いた本連載も、とうとう最終回。九谷焼の”使われる”現場、料亭を訪ね、暮らしへ取り入れる際のヒントなどを教えていただきます。
-
AFTER TALK/「秋元雄史がゆく、九谷焼の物語」を終えて。
工房を訪ね、作り手と対話する中で、どんな気づきがあったのか。今回は取材を終えた秋元さんの感想を、特別版・アフタートークとしてお届けします。